EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
ご質問にあるSVHCは、Candidate List(認可対象候補物質リスト)収載物質であるとしてご回答します。
Candidate Listに収載された物質が成形品中に0.1wt%を超える濃度で含有する場合は、成形品の受領者にトン数に関係なく(年間1t以下でも適用)、少なくとも物質名を提供しなければなりません。(第33条1項)
また、成形品の安全な使用を保証するための十分な情報を、消費者から要求を受けてから45日以内に提供しなければなりません。この情報には少なくとも物質名を含んで成形品の安全な使用を確実にするためのものでなければなりません。(第33条2項)
この情報伝達・提供の義務はCandidate Listに収載された日から発生します。
成形品の製造者および輸入者は、成形品中のSVHCが以下の条件のときECHAに届出なければなりません。
a)物質が成形品中に0.1wt%を超える濃度で含有する場合。
b)物質が1t/年を超える量を生産、輸入される場合。
ただし、以下の場合は届出の必要はありません。
ご質問のケースでは、SVHCを0.1%以上含有する成形品を年間1,000t以上輸出されていますから、SVHCは年間1t以上になりますので、上述の期限までに届出が必要になります。
成形原料として輸出される成形用ペレットは、混合物の扱いを受け、以下の条件のとき登録が必要となります。
混合物に含まれる物質の登録要件
a)ポリマーを構成する2wt%以上の各モノマー物質や他の物質。
b)モノマー物質、他の物質が1t/年以上であること。
ただし、サプライチェーンの川上業者によって登録されている場合は登録の必要はありません。
したがって、ポリマーを構成する2%以上のモノマー成分と添加しておられるSVHCの登録が必要になります。さらに、各モノマーやSVHCが年間10t以上になりますと、おのおのの物質について化学物質安全性評価を行い、CSR(化学物質安全性報告書)の提出が必要になります。
ペレットを輸出される場合には、使用されているSVHCが、認可が必要になる附属書XIV(認可の対象となる物質リスト)に何時収載されるかに注意が必要です。
使用している物質が附属書XIVに収載されると、EUではペレットの輸入に関して認可を得なければ上市、使用ができません。現行の規定ではEU域外の企業は認可の申請はできず、EU域内の輸入者(貴社からすれば輸出先)で認可を申請して貰う必要があります。
附属書XIVに収載されるとき、対象物質ごとに認可が与えられない限り上市と使用が禁止される日付(sunset date)や認可申請期限(sunset dateの18カ月前)が公表されます。この認可申請期限までに認可の申請をしてもらう必要があります。