EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
附属書XVIIの収載手続きは、REACH規則では以下のように定められています。
(1)欧州委員会または加盟国からの制限提案の発意
発意については、ECHAのウェブサイト「Registry of intentions」に公表されます。
(2)附属書XVの提案報告書の作成公表
ECHA(欧州委員会の発意の場合)または、加盟国が、(1)の発意から12カ月以内に制限を提案する附属書XVに定められる報告書を作成します。報告書は「Registry of intentions for Annex XV dossiers」に公表されます。
(3)提案された附属書XV報告書の意見募集、委員会での検討
公表された報告書に対しては6カ月の間意見が募集され、並行してリスク評価専門家委員会(RAC)で9カ月以内、社会経済分析専門家委員会(SEAC)では12カ月以内の検討が行われます。SEACの社会経済的影響の意見はECHAから公表され、60日間の意見が募集されます。
(4)欧州委員会での附属書XVII改正案の作成から承認、官報への公表
ECHAは、(3)の検討結果が欧州委員会に報告されてから、3カ月以内に欧州委員会で附属書XVIIへの収載案を作成し、コミトロジー手続きを経て、欧州議会、理事会の合意を得て、官報(Official Journal of the European Union)に公示されます。
最近の例では、2010年4月15日にフランスが宝飾品中の鉛および鉛化合物とフマル酸ジメチル(DMF)の2件の提案を行い、RACは2011年3月に制限提案を合意しました。SEACはフマル酸ジメチル(DMF)については、2011年6月21日までに最終的な意見を提出する予定です。宝飾品中の鉛および鉛化合物については、RACの意見とフランスからの提案に違いがあるため、ECHAは2011年9月までSEACの意見の採択を延期することにしています。その後、欧州委員会にこれらの2つの意見が送付される予定です※1。
付属書XVIIには、新しい物質の追加やすでに対象だった物質の用途などの追加、表示方法などが修正される場合がありますので、最新情報に注意を払う必要があります。
付属書XVIIに掲載される可能性のある物質についての情報は、ECHAのウェブサイト「Registry of intentions for Annex XV dossier」で検討状況を確認できます。また、プレスリリースではECHAから発表される最新情報が掲載されますので、定期的にウェブサイトを確認することをお奨めします。
検討の結果、採択されて付属書XVIIに掲載されることになった物質は、官報(Official Journal of the European Union)に公示されます。