EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
Candidate List(認可対象候補物質(SVHC)リスト)に追加される物質やその手順について解説します。
Candidate Listの候補となる物質についてはECHAのWebサイト「ECHA CHEM」セクション中の「Registry of intentions(意図の登録)」1)に公開されています。ここには今後、認可対象候補物質(SVHC)として提出される意図のある物質が掲載されており、利害関係者へ情報提供を行っています(意図の登録は取り下げられることもあるので注意してください)。
このリストには提案した者〔欧州委員会(ECHA)または加盟国〕、物質名、意図の表明を行った日付、付属書XVに定められる報告書の提出予定日などが公開されております。ここから今後、認可対象候補物質(SVHC)となる可能性のある物質名を知ることができます。このサイトはあらかじめ周知しておくことで、その後のパブリックコンサルテーションにタイムリーに対応してもらうことを目的にしています。
これらの物質に対し、欧州委員会の要請によりECHAが作成した文書、あるいは、加盟国が作成した文書がECHAのウェブサイトに公表され、パブリックコンサルテーションにかけられます。コメント期間中に特に意見が無かった場合は、そのままCandidate Listに収載されます。意見があった場合には加盟国専門委員会にかけられ、合意に達した物質がCandidate Listに収載されます。
コンサルテーションにかけられた物質の詳細情報は上記サイトで付属書XVレポートにアクセスすることができます。このウェブサイトの情報から、今後のCandidate List掲載候補物質がわかります。
また、すでにCandidate List収載物質と同じ物質名のものがコンサルテーションにかけられることがあります。こういった場合は物質名が同じでも、何らかの条件変更を目的としてコンサルテーションが行われます。例えば、2011年8月29日の第6次認可対象候補物質リストの例では物質の規定条件変更が理由でした。
また、同様な例としては塩化コバルト(II)のように、分類が変わったために、再度コンサルテーションが行われたこともあります。詳細は、2011年3月4日付けコラム、2011年9月9日付けコラムを参照ください。
このようにコンサルテーションによりCandidate Listの内容が修正されれば、REACH規則第33条による成形品中の含有SVHC情報(利用可能な情報)も修正する必要が生じますので注意してください。
1)http://echa.europa.eu/chem_data/reg_intentions_en.asp
なお、2011年8月末時点で登録されているSVHC2)は53種類です。それに対し、2010年時点の情報3)では、欧州委員会とECHAは2012年までにSVHCを合計で135種に増やす意向で合意している、とのことでした。この通りに行くかは現時点では分かりませんが、今後もその数は増えていきますので、引き続きSVHCの動向には注意が必要です。
2)http://echa.europa.eu/chem_data/authorisation_process/candidate_list_table_en.asp
3)http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/10/360&format=
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