EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
ご質問の中国、韓国、台湾のGHS分類に関して、現在において確認可能な情報源について説明します。
韓国においては、国立環境研究所(The Korea National Institute of Environmental Research)の国立化学物質情報システム(National Chemicals Information System)で2012年2月28日現在の798物質の分類データが公開されています注1)。韓国においては、これらの分類を使用することを要請されています。また、労働部傘下の韓国産業安全公団では、参考として、11,377物質のGHS対応のMSDSを提供していますが、登録メンバーでないと閲覧できません。
台湾では、「毒性化学物質表示および物質安全資料表弁法」および「危険物および有害物の表示ならびに周知規則」が2008年12月31日から施行され、GHSの対応が義務付けられています。2012年2月時点で、2,151物質についてGHS対応の情報提供が必要です。約3,500物質のラベル、MSDSの参照例をウエブで提供していますが、一部の物質については閲覧できますが、すべての物質の情報を閲覧するためには登録が必要です注2)。
中国では、2011年12月1日施行されました危険化学品安全管理条例で、新たに「危険化学品目録」を作成するとしています。現時点では、この目録はまだ公表されていませんが、このリストには分類が記載されると聞いています。
また、ご参考までに日本およびEUの公開サイトについても記載します。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE、National Institute of Technology and Evaluation)が「化学物質総合情報提供システム」により、国内・海外における法規制対象物質や各機関の評価物質等の一覧を提供しています。特定物質の有害性情報や法規制情報の閲覧は、一覧から物質を選択するか、化学物質の番号や名称、CAS番号などが分かれば検索が可能です。
EUの公開サイトとしては、ESIS(European chemical Substances Information System:欧州化学物質情報システム)があります。このシステムでCLPに基づいた化学物質の分類結果を閲覧することができます。
ちなみにベンゼン(Benzene)についてESISと台湾の提供情報でその内容を比較してみますと、同じ分類結果となっています。
上記の通り、GHSは強制力を持たない勧告(Non-Mandatory)ですが、分類・表示のための試験方法についてはOECDでガイドラインを定めており、各国はそのガイドラインに基づいて試験を実施しておりますので大きな差異はありません。一方で、GHSでは、ビルディングブロック方式を認めており、規制内容については、各国がそれぞれ自国の法規制で対応しており、該当する国によって対応方法が異なりますので注意が必要です。
J-Net21でも関連するコラム(台湾、中国)がありますので、そちらについても合わせてご確認ください。
注1:http://ncis.nier.go.kr/ghs/search/toxic_contain_chem_label.jsp
注2:http://ghs.cla.gov.tw/CHT/intro/search.aspx?cssid=3