EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
ご質問のREACH規則における認可事例ですが、現時点ではまだ認可された事例はありません。
これは、認可申請書類の提出や必要な費用の支払いが完了すれば、認可申請手続きが開始されますが、手続きの最初のステップとして、認可申請内容が公表され、代替物質に関する情報等について広く第三者に対して意見募集が行われます。この情報は欧州化学品庁(ECHA)の認可申請ページに掲載されることになります。現時点ではECHAの認可申請ページ上、まだ意見募集は開始されておらず、もちろん認可された事例も存在しないことになります。
なお、認可申請手続の詳細やスケジュールは「認可申請の準備に関するガイダンス」に記載されており、おおむね次のような手続きが18カ月弱の期間で実施されることになります。
また、現時点での認可対象物質(REACH規則附属書XIV)は、14物質が収載されており、物質ごとに「日没日」とその18カ月前の「認可申請期限」が設定されています。日没日は、「認可が与えられない限り、物質の上市と使用が禁止される日付」ですが、認可申請期限は、「日没日以降も申請者がその物質を継続使用、または、特定用途のための製造を希望する場合、その日までに申請が受理されなければならない日」であり、認可申請期限までに申請が受理されていれば、認可手続きが日没日までに終わっていない場合でも、結論が出るまで継続使用が認められます。
現時点の認可対象物質の中で次の2物質が最も早い日没日である2014年8月21日が設定されており、その18カ月前となる認可申請期限が2013年2月21日と間近に迫っている状況です
このように認可対象物質の収載から日没日や認可申請期限まである程度の期間が設定されていたことから、これまでは認可申請に向けた準備期間であったと言えます。しかしながら、上述の2物質の認可申請期限が迫っていることから、今後第三者からの意見募集など具体的な認可申請手続きが開始されるものと想定されます。