EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
再生紙の原料である古紙(廃棄物)にはREACH規則は適用されませんが、再生紙は廃棄物のリサイクル品に該当しますので、REACH規制の対象となります。したがって、再生紙を使用した外装材は成形品としてREACH規則第7条の適用を受け、意図的放出物質の登録やSVHCの届出が必要になる場合があります。
ご質問のケースについては、以下の対応が可能であると考えます。
(1)大手の再生紙メーカーでは非含有証明書の提出を行っていますので、貴社の再生紙購入先の再生紙メーカー(上流サプライヤー)に依頼して環境物質(SVHC)非含有証明の提出を出してもらいます。
(2)上流サプライヤーから提供された情報に加え、貴社における外装材加工プセスにおける環境物質 (SVHC) の混入可能性を調査して不使用である旨の情報を開示することにより、川下ユーザーに非含有であることを証明します。
(3)もし、(1)の環境物質(SVHC)の非含有証明が得られなかった場合は、自社での分析を検討しますがその場合でも、SVHCすべての分析を行う必要はなく、原料として混入する可能性のある物質のみ分析すればよいと考えられます。
なお、REACH規則への対応の詳細については、2007年9月28日付けコラムや成形品ガイダンス(環境省仮訳)をご参照ください。
また、貴社が製造される紙製パレットや外装材はEUに輸出する場合には、容器包装指令(Council Directive 94/62/EC of 15 December 1994 on packaging and packaging waste)の適用を受けることになると思われます。
同指令では、第11条1項に「包装材または包装材部品に含まれる鉛、カドミウム、水銀および6価クロムの濃度レベルの合計が100ppmを超えないこと」と規定されています。また、リサイクル材料を使用した場合や、製造工程においてコンタミネーションがあった場合でも特例は認めていません。