EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
REACH規則は第33条において、成形品中にSVHCが重量比0.1%超含まれている場合、当該成形品の供給者に利用可能ならば成形品の安全な使用を認めるに十分な少なくとも物質名を含む情報を提供することを義務づけています。
同時に消費者からの要求があれば、成形品中に0.1%超の濃度でSVHCを含む場合その供給者に対し、消費者が利用可能な成形品の安全使用を認めるに十分な情報を情報要求から45日以内に無償で提供することを規定しています。
物質がSVHCに指定され認可候補物質リスト(キャンディデイトリスト)に収載されるのは原則年2回(6月と12月)となっています。
直近の第16次の場合、2017年1月に4物質がSVHCに追加され、合計173物質となりました。
ご質問にあります上記の成形品製造者に要求されている情報伝達義務は「製造日の古い製品」まで遡っての対応は規定されていません。
したがい、新規SVHCが指定されたタイミング以降で該当する場合、必要な情報伝達を実施すればよいこととなります。
しかし、複合成形品の構成品や半組立品等を既にEUに輸出している場合等で、当該構成成形品に0.1重量%超のSVHSが含有している場合、EUの輸出先企業等が複合成形品上市に際し、情報伝達義務を遂行するため貴社に情報提供を求めてくる場合が想定されます。このような場合に備え、REACH規則で規定されていなくとも、貴社の出荷ずみ成形品が複合成形品の構成部品として組み込まれる可能性がある場合を考慮して出荷先の複合成形品メーカーがEU市場に当該複合成形品を上市する場合に備え、遡っての情報提供を準備しておくことは必要ではないかと考えます。