電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2006.10.27
EUの化学物質規制の発端は、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」です。地球サミットでは、成果として「環境と開発に関するリオ宣言」と「Agenda21」が採択されました。「Agenda21」はリオ宣言に盛り込まれた諸原則を踏まえ、各国政府をはじめさまざまなセクターが、21世紀へ向けて実施に移していくべき課題を40章にわたり具体的に示しています。
化学物質の環境上の適正な管理は「Agenda21」第19章に「有害かつ危険な製品の不法な国際取引の防止を含む有害化学物質の環境上適正な管理」として有害・危険化学物質に対するさまざまな国際的な取組課題が記載されています(化学的リスクアセスメントの拡大および促進、化学物質の分類と表示の調和、有害化学物質および化学的リスクに関する情報交換、リスク低減計画、化学物質に関する国レベルでの対処能力の強化、有害および危険な製品の不法な国際取り引きの防止など)。
EUでは、予防原則(precautionary principle) に基づき、広範な環境問題への取組みを「環境行動計画」として策定しています。現在は、2001年~2010年の10年間にわたる「第6次環境行動計画」を策定、実施中です。
環境行動計画のコンセプトは、循環型社会形成へ向けて設計段階から環境配慮を行い、製品ライフサイクルにおけるリユース、リサイクルを助長するために有害・危険化学物質の使用をできるだけ制限し、環境中への放出や最終廃棄段階でのクリーン化を図ることにあります。上記の観点から、これまでに行われてきた、製品などへの有害・危険化学物質の含有規制に対する法令には(規制、指令など)には以下のようなものがあります。
「Agenda21」は、10年後の2002年に実施されたフォロー会議(ヨハネスブルグで開催)で2020年までに完了させることが決議されており、EUでは化学物質の登録、評価、認定制度(REACH規制)の整備を急ぎ、2020年までに目標を達成するとしています。
(担当 瀧山 森雄)