電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2006.10.20
RoHS規制は、今年7月1日に施行されましたが、施行後も禁止除外リストが追加される状況です。FAQにも除外リストの質問が多く寄せられています。企業にとっては、この除外リストの追加にも注意しておくことも必要で、最新情報をフォローしたいものです。
RoHS規制に関わる決定はOfficial Journal の公告で確認することになりますが、一足早く英国政府のホームページのUnofficial note of the Technical Adaptation Committee(TAC)でWEEE&RoHSに規制動向を知ることができます。
これまでは、追加除外リストは、Unofficial note of the Technical Adaptation Committeeで、TACの議決を見ればよかったのですが、最近になって、最終の決定のプロセスが変わりました。
従来は、TACで決定されたものは、手続き的にはEU理事会やEU議会の審議プロセスを経ずに、EU委員会指令として採択され、Official Journal 公告されてまいりました(コミトロジープロセス)。
しかし、2006年6月13日に、EU委員会、EU議会、EU理事会が合意して、EU憲法の内容を先取りして、TACの決定をEU議会が絶対多数決(367/732票)により否決が可能となりました。このため、これまでのようにUnofficial note of the Technical Adaptation Committeeから得られる情報は最終決定でなくなることになります。
さらに複雑な事例が発生しています。
2006年6月26日のTACで、提案のあった9項目の除外リストの内1項目を継続審議とし、新たに8項目の除外リストが決定しました。しかし、その後、EU委員会がTACで継続審議とした1項目を独断で追加除外項目を決定しています。当初のTACの決定が覆されているわけです。
(担当 林 譲)