電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2007.01.26
米国環境保護庁(EPA)は、水銀に関するEPAの活動を包括的に取りまとめて2006年7月5日に「EPA's Roadmap for Mercury(水銀ロードマップ)」として発表しました。
このロードマップは、EPAが過去10年以上にわたり行ってきた「水銀が人の健康と環境に及ぼすリスクに対処するための活動」を明らかにしています。
報告書では、米国における水銀の排出量と使用量が過去25年間で大幅に減少したことが報告されています。具体的には水銀の大気中への排出量は1990年以降45%減少し、製品および製造工程で使用される水銀は、1980年から1997年にかけて83%減少したと報告されています。
また、この報告書では、環境中の水銀を削減するための活動におけるこれまでの成果と現在の取り組みについて記載しています。
EPAは水銀に関連したリスク削減を長期的な目標としており、目標達成のためにさまざまな取り組みを行っています。この報告書は、EPAの活動に指針を与えると同時に、EPAの水銀への取り組みに関する重要な情報を連邦機関、州レベルのEPA関係者、居留民、自治体および一般市民に提供しています。
EPA汚染防止・殺虫剤・毒性基質部門 (OPPTS:Office of Prevention , Pesticides and Toxic Substances)の担当次長補は以下のように述べています。
「この水銀報告書は、水銀削減に貢献した過去および現在の活動について詳しく述べており、人々の健康と環境を守り続けるためにEPAの活動全体の概要を示すことにも役立つだろう。」
作成された「ロードマップ」は、以下の6領域に重点を置いています。
水銀の排出削減活動の一環として、EPAは7月5日に重要新規利用規則(Significant New Use Rule:SNUR)の提案書に署名しました。
SNURの提案書は有害物質規正法(Toxic Substances Control Act )に基づいて公布されるものです。たとえば、人の健康や環境に悪影響を及ぼすリスクが明確にならない場合には必要に応じて水銀の利用を禁止するか、あるいは制限することが可能となります。過去15年間、EPAは都市廃棄物用の燃焼装置や焼却炉、医療廃棄物用焼却炉および有害廃棄物用焼却炉などの大規模な大気中への水銀排出源を中心に、水銀の削減に取り組んできました。
さらに、EPAは米国の主な産業排出源による大気中への水銀排出を制限するための基準を整備しています。以上のようにEPAはリスク削減に取り組むと同時に、水銀に関する科学的知見収集にも力を入れています。EPAの多くの部署が水銀の発生源と人の健康および環境に与える影響をより正確に把握するための取り組みや、リスクの周知および一般市民が水銀の曝露を受ける機会を削減することにつながる活動も積極的に行っています。
ロードマップ本文、SNUR提案、EPAの水銀削減への取り組みに関する情報などは、下記のEPAのウェブサイトをご参照ください。
(担当:瀧山 森雄)