電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2009.05.22
英国の国立計量計測研究所(National Weights and Measures Laboratory:NWML)は2008年度(2008年4月1日~2009年3月31日)のRoHS指令の施行当局としての活動報告書(PDFファイル)を3月31日に発表しました。
同報告書の要約を以下に紹介します。
NWMLの目的は、RoHS指令を遵守しようとする生産者に過度な負担をかけないようにしながら、RoHS指令の規制に適合するように産業界を助け、協力的で現代的な施行権限を伝達することです。2008年度において、NWMLは、教育、プロモーションそして電気・電子機器の生産者やその他の既契約利害関係者との直接契約を通して目的を伝達しました。
伝達された目標の最も重要な点には以下が含まれています。
NWMLは、この報告期間内に施行目的が効果的に働き、さらに高レベルのコンプライアンスを達成できたと信じています。RoHS指令が2006年7月1日に発効して以来、当局は製品コンプライアンスのレベルは大きな改善があったことを確認しています。NWMLはこの成功を基礎として将来を見守っています。
上述の企業コンプライアンスの施行は間接および直接の2つのプロセスで行われています。
1. 間接的な施行
NWMLは教育によって企業のコンプライアンスレベルが向上することを期待し、以下の知識伝達サービスを開発しています。
(1)ウェブサイト
2008年度に報告された主な計測値
(2)問合せシステム
報告期間中にオンライン問合システムで1000件以上の問合せを受けています。
NWMLは、Q&Aをデータベース化し、他の政府機関がWEEE & RoHSについて利用できるようにしています。これは産業の情報の一貫性を確実にすることに役立っています。
(3)プレスとの関係維持
NWMLは、プレスとの関係を維持し、要求があれば、いくつかの雑誌などとのインタービューに代表者を出す等の活動をしています。
(4)知識移転活動
NWMLは、活動期間中に以下のような知識移転活動を行っています。
国内セミナーおよび会議14回
国際セミナーおよび会議4回
個別セミナーおよび会議2000回
展示会9回
ウェブヒット数600万、
問合せ記録1000件+その他
2. 直接的な施行
市場が過渡的状況から成熟した状況に移行するにつれて、より直接的な活動へシフトされています。
(1)プロセス
非コンプライアンスの可能性が高い支援情報のあるセクターを絞り込んでリスク評価を開始します。このとき使用される主要なクライテリアには以下のようなものがあります。
採用される直接的施行プロセスは、企業のコンプライアンスへの対応を示すシステムや手順のデータの評価、市場からの少量アイテム購入・検査等を組み合せ、執行官により施行されます。十分な評価を行うためにデータの再提出の要求等もあり得ます。
(2)ソリューション
企業のコンプライアンスへの対応状況やマーケットへの浸透度等により、以下のソリューションが適用されます。
2008年度はカテゴリー7のレジャーコンピュータ、懐中電灯その他携帯用照明具、クリスマスその他の祭用装置および装飾照明具、パーソナルコンピュータ、カメラおよび類似のマイクロビデオ装置等を重点的に調査しています。
(瀧山 森雄)