電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2009.07.31
2009年5月14日に電気製品環境設計法「Environmental Design of Electrical Equipment Act(EDEE Act)」が米国下院に提案されました。EDEE ActはUnited States Code Title 15(Commerce and Trade)Chapter 53(Toxic Substances Control Act)の修正法で、§ 2605に追記するものです。規制内容はEU RoHS指令に類似していて、連邦RoHS法(US RoHS)のイメージです。
法律の目的は米国の人々の経済的、環境的、社会的な幸福を高めるためで、州による法規制の潜在的不一致の防止による電気製品と装置の製造の革新と効率的な技術開発を確実にすることや電気製品の有毒物質の使用の制限の整合などです。
米国では一般的に法律は議員立法で、修正や妥協などに対して、大統領が署名して発効するのは少ないといわれています。しかし、EDEE Actは施行を2010年7月1日とし2009年度に100万ドルの予算処置も明確にされており、公布、施行の可能性が高いと思われます。
特定有害化学物質はEU RoHS指令と同じで、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBBおよびPBDEで、最大許容濃度もカドミウムが0.01wt%(100ppm)、その他が0.1wt%(1,000ppm)です。濃度は重量比(wt%)で、その分母はEU RoHS指令と同じ均質物質(homogeneous material)で、その定義も機械的に別々に分離できない均質材料で、EU RoHS指令と同じになっています。
電気・電子機器が対象です。Cal's RoHS法は4インチ以上のディスプレー製品でしたが、EDEE Actは幅広くなっています。
適用除外はEU RoHS指令と若干異なっています。以下の項目などが適用除外となっていてEDEE Act適用されません。
用途の除外はEU RoHS指令の除外を含んでいますが、以下のようにEDEE Act固有の除外があります。
EDEE Act制定により米国の業界は規制が強化されますが、必ずしも反対はしていません。逆に流通業界では次のような連邦規制を要望する意見を数年前に出しています。EDEE Actはこれらの意見を踏まえたうえでの規制になっています。
EDEE Actの詳細は以下を参照してください。
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/getdoc.cgi?dbname=111_cong_bills&docid=f:h2420ih.txt.pdf
TSCA関連の内容は以下より原文を取得できます。
http://www.law.cornell.edu/uscode/15/usc_sup_01_15_10_53_20_I.html
(松浦 徹也)