電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2013.11.22
欧州委員会は10月22日にRoHS指令(Directive 2011/65/EU)の使用制限物質(附属書IIに収載)の見直しに対する第4次意見募集(4th Internet Consutation)を開始したことを発表しました1)。
この第4次の意見募集においては、すでにRoHS指令の制限物質への追加候補として特定されている下表に掲げる4物質の評価文書案に対して11月11日までに意見の提出を求めています。
今回公表された評価文書案での結論は、4物質すべてRoHS指令附属書IIへの追加を勧告する内容となっており、最大許容濃度は、フタル酸エステル類(DEHP、 DBP、BBP) が均質材料当たり0.1重量%、HBCCD類がPOPs規則(850/2004/EC)附属書IVに合わせるように提案されています。
物質名(英語名) | 物質名(和名) | CAS番号 |
---|---|---|
Hexabromocyclododecane : HBCCD | ヘキサプロモシクロドデカン類 | 25637-99-4 , 3194-55-6 |
Bis (2-ethylhexyl) phthalate : DEHP | フタル酸ビス (2-エチルヘキシル) | 117-81-7 |
Dibutyl phthalate : DBP | フタル酸ジブチル | 84-74-2 |
Benzylbuthyl phthalate : BBP | フタル酸ブチルベンジル | 85-68-7 |
RoHS指令の第6条の規定においては、欧州委員会に対して2014年7月22日までに制限対象物質の見直しを求めており、上記の意見募集はこの見直しの一貫として行われています。今回の意見募集の結果は、12月20日に最終報告書が提示される予定となっています。
公表された個々の4物質の評価文書案における結論草案(Draft Conclusion)は以下の内容となっています。
DEHP、DBP、およびBBPをRoHS指令の附属書IIに含むことを推奨する。
物質名 | 負の影響のより少ない代替品の例 |
---|---|
DEHP | Alkylsulphnic phenylesterまたはDi-isononyl-cyclo-hexane-1,2dicarboxylate |
DBP | Alkylsulphnic phenylesterまたはDi-isononyl-cyclo-hexane-1,2dicarboxylate |
BBP | Glycerol triacetate |
EEE中の許容されるべきDEHP、DBPおよびBBPの最大濃度は、それぞれ均質材料あたり0.1重量%を提案する。
HBCCDをRoHS指令附属書IIに含めることを推奨する。
EEE中の許容される均質材料あたりのHBCCDの最大濃度に対しては、ほとんどのPOPsに対するEUのPOSs規則(850/2004/EC)附属書IVによりPOPs廃棄物のために定義されていると同様に規定することを提案する(すなわち0.0005%)。
1)
http://ec.europa.eu/environment/waste/rohs_eee/review/news_en.htm
(瀧山 森雄)