電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
鉛酸化物を主成分とする、電子セラミック部品(圧電素子やコンデンサーなど)はRoHS指令の適用除外品となっています。鉛酸化物が主成分の電子セラミック部品製造の際に生じる粉塵は電子セラミック部品本体と同成分です。よって、電子セラミック部品に付着していたとしても、本体と同じ扱いとなり、適用除外部品の一部と見なされます。
しかし、もしもこの鉛酸化物の粉塵が適用除外を受けていない部品に付着していると、その部品の検査時に鉛含有と判定されRoHS指令違反と判定される可能性があるので、注意が必要です。
貴社でRoHS指令の対象となる、電子セラミック部品以外の電子部品を製造している(もしくは取り扱っている)ような場合は、それらの部品に鉛酸化物の粉塵が付かないよう、管理していく必要があります。
管理方法を決める際、粉塵の付着がないと思われる管理状態を設定して、その管理標準を守ることが重要です。
作業方法、作業管理方法は顧客、第三者が納得あるいは妥当と評価する程度にする必要があります。作業の妥当性は説明できることが重要です。例えば、製造工程で超音波による溶媒洗浄で研磨粉を除去するのが、業界で一般的に行われている方法であればそれも説明情報になります。
企業責任、品質保証の視点で、RoHS指令の要求を設計、資材、生産管理に入れ込む考え方が重要です。管理の中で、品質上、順法上で粉塵の付着を最小限にするための重点管理項目があれば、その工程を特定し、工程表を作成します。生産時にはこの管理項目をチェックし、その記録を保管するようにします。
基本は顧客(当局や最終顧客を含む)の順法に対する安心感、信頼感を得ることです。順法証明を測定値で示せない場合は、順法の仕組みを説明することが肝要と思います。