電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
RoHS指令のカテゴリー8、同9の適用時期については、RoHS指令改正の検討の中で審議されています。2008年に欧州委員会から、WEEE指令の改訂と共にRoHS指令の改正案が公表されました。その後、理事会と欧州議会で審議がされてきましたが、2010年11月24日に欧州議会で、審議にて合意された改正案が採択されました。今後、理事会で承認されれば、OJに公布20日後に発効となり、18カ月以内に加盟国の実施法が制定されます。
現行RoHS指令では、WEEE指令の附属書IAを引用し、製品分類カテゴリーのうち、カテゴリー8(医療機器)、カテゴリー9(監視および制御機器)以外の電気・電子機器と電球および家庭用照明器具を適用対象範囲としていましたが、改定案では附属書Iで以下を適用対象範囲としています。
すなわち、現行WEEE指令の附属書IAの10カテゴリーに加え、11番目のカテゴリーが追加されています。
ご質問のカテゴリー8、同9の適用については、つぎのスケジュールが提案されています。
●カテゴリー8(医療機器:指令93/42/ECの定義による人用医療機器)
医療機器は、発効3年後から適用されます。
体外診断機器(invitro medical devices、指令98/79/ECの定義に含まれる診断用の医療機器)は発効5年後から適用されます。
能動型体内植込み装置(心臓ペースメーカーなど理事会指令90/385/EECに含まれる医療機器)は適用製品から除外されています。
なお、動物用医療機器は、カテゴリー11「上記でカバーされないその他の電気・電子機器」の範疇に入りますので、発効8年後から適用されます。
●カテゴリー9(監視、制御機器)
監視、制御機器は発効3年後から適用されます。
プロ用に設計された産業用の監視、制御機器は発効6年後から適用されます。
なお、改正案では大型固定据付装置が適用除外になっていますので、医療機器や監視、制御機器でこの範疇に入る電気・電子機器は適用されないと考えることができます。
また、含有制限される有害物質とその最大含有許容濃度は、現行指令の規定は変更されていません。ただし、含有規制は機器に加えて、ケーブルや修理用、再使用用、機能や能力の向上用の部品等にも有害物質の含有の制限は適用されます。また、含有の制限の適用除外項目については、すべての機器に適用される32項目が附属書IIIに、医療用機器および監視、制御機器に適用される20項目が附属書IVに掲載されています。