電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
ご質問の鉛については、EU RoHS指令における除外項目7(a)では、以下のように規定されています。
【適用除外項目】
7(a):高融点はんだに含まれる鉛(すなわち、鉛含有率が重量85%およびこれ以上の鉛合金(回答者注:Sn/Pb)
すなわち、高温の耐久性が必要な場合、鉛含有率が85%およびこれ以上のはんだが適用除外になっています。
はんだ中の鉛含有率のばらつきが±0.5%の場合に、この除外が適用されるかという問には以下のように考えます。
高融点はんだの使用は、高温の耐久性が要求される部品へ使用する場合、EU RoHS指令の適用が除外されます。はんだ成分のばらつきで鉛含有率が85%未満であった場合に、RoHS指令が不順守で摘発されるかどうかについては、明言はできませんが、除外項目の規定を厳密に解釈するならば、鉛含有率が85%以下の場合、除外は適用されないと考えて対応することがよいと考えます。
また、2009年に提出された適用除外の見直しに関するレポート(PDFファイル)においては、i)適用除外項目7aは直ちに廃止すべきではないが、ii)いくつかの用途では材料変更が可能と考えられ、特定した技術と使用に限った除外とするのがよいと提案しています。
貴社製品の高温はんだについては、高温はんだ使用の必要性、鉛含有率のばらつきの製品特性への影響等を考慮して、確実にRoHS指令を順守する対応を取られるのがよいと考えます。
なお、EU RoHS指令ではんだ中の鉛含有率のばらつきが適用されるかについての最終判断は、輸出先の監督当局に確認されるのがよいと考えます。
また、中国RoHSについては、適用除外は設けられていません。0.1%以上の鉛を含有するはんだを使用している場合は、環境保護使用期限の年数を記し、特定された有害物質の含有を示す赤マークを添付し、製品説明書に含有個所を明示する必要があります。詳細は中国版RoHSをご参照ください。