電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
EUのRoHS指令と中国RoHS指令に分けて回答します。
EUのRoHS指令の対象は電気・電子機器です。同指令の定義は「電気・電子機器とは、正しく動作するために電流または電磁界に依存する機器であって、WEEE指令付属書1Aに定めるカテゴリーに属するもの。さらに交流1,000V、直流1,500Vを超えない定格電圧で使用するように設計され、そのような電流と電磁界を発生、伝導、測定するための機器を意味する」とあります。また、それらの具体的なカテゴリーはWEEE指令の付属書IAで8製品群が定められていますので、それらに該当するかどうかで判断します。
7月1日に公布された改正RoHS指令では次の2製品群と、これら10製品群に分類されないその他電気電子が第11製品群として追加されます。
貴社の製品がRoHS指令の定義である「交流1,000V、直流1,500Vを超えない定格電圧で使用する」に該当する場合は適用されます。現行RoHS指令では第6製品群の電動工具に該当する可能性が大きいと思われます。しかし、その場合でも、3条(3)(4)の定義する大型の据え付け型のものですと適用対象外になります。
いずれにしても、RoHS指令の適用対象となりますと特定化学物質(6物質)の閾値を超えた含有制限が義務付けられます。
なお、2011年7月21日に発効した改正RoHS指令では付属書VIIによる適合宣言書の提出とCEマーキングの貼付けが義務付けられます。EU加盟国内法制定の期限である2013年1月3日までには対応をすませる必要があります。なお、CEマーキングの具体的な内容についてはQ&A280をご参照ください。
RoHS管理規則は次の10製品群からなる電子情報製品が適用範囲です。
中国RoHS管理規則は2段階で実施されます。その第1段階が表示義務です。製品もしくは製品説明書(スペースがなく明記できない場合)にa.環境保護使用期限、b.有害物質名、含有量、それが含まれる部品および回収・再利用されること、c.包装材の材料、を明記することです。
第2段階は重点管理目録に収載される電子情報製品についてEUと同様の特定有害物質についての閾値を超えての含有制限と自主認証の遵守義務が課せられます。しかし、対象製品については2009年9月29日公示の1次案では最終製品3種類(移動端末、電話機、コンピュータ用プリンター)でした。
8月30日に発表・公示された自主認証実施規則では、最終製品が追加されるとともに組立品、部品、材料が追加されました。ただし、貴社の製品に該当するものはありませんので、第1段階の表示義務さえ順守できれば中国への輸出ができることになります。
<重点管理目録に収載される電子情報製品>
自主認証制度の基本は書類審査、サンプル検査と工場検査です。対象製品でありながら、自主認証制度の認証を受けていない場合、税関で止められ、中国への輸出が制限されます。なお、重点管理目録に収載される電子情報製品には適用除外規定はありません。自主認証規則の内容については2011年9月22日付けコラムをご参照ください。