電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
RoHS(II)の第7条(b)で、製造者または代理人は必要な技術文書を作成し、決定768/2008/EC「製品を売買するための共通の枠組み」の付属書IIのモジュールAに従った内部生産管理手続きを実施することが要求されています。また、第16条で、EU官報で公表された整合規格に適合することで、RoHS(II)の必須要求事項に適合していると見なされることになります。
RoHS(II)が求める技術文書の要求事項はモジュールAに記載されていますが、RoHS(II)の技術文書仕様の詳細を定めた整合規格EN50581「有害物質の使用制限に関する電気?電子製品の評価のための技術文書」がCENELECによって策定が進められ、9月21日に発行されました。
ご質問のRoHS(II)の義務が発生する1月2日の時点でEU官報によって公示された整合規格が存在しない場合ですが、その場合でもRoHS(II)の義務履行は当然求められ、対象製品の6物質の含有制限はもとより、CEマークの貼付や適合性評価、適合宣言書の作成等を行うことが必要となります。また、整合規格の採用は製造者の任意であり、整合規格があったとしても採用しないという選択肢もあります。
整合規格がない、あるいは整合規格を採用しない場合には、RoHS(II)の要求事項に適合していることを他の技術仕様(国際規格や業界標準など)の採用や、自社の方法論に基づいて、RoHS(II)の要求事項に対する適合性を宣言することになります。
RoHS(II)の適合性評価を行うにあたり、参考となる国際規格としては次のような規格が挙げられます。なお、これらの規格はEN50581でも引用規格や参考文献として取り上げられています。
整合規格であるEN50581の官報公布前であっても、上記のような国際規格やその他の方法により、適合性評価を行い、適合性評価の証拠となる技術文書、また適合宣言書やCEマークの貼付を行うことが必要です。その際には上記規格類を参考に自社の仕組みを見直し、不足している事項への対応を図り、適合性宣言を行うことができる仕組みにしておくことが必要であると考えます。