電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
改正RoHS指令(Directive 2011/65/EU)では洗濯機がどのカテゴリーに属するかに関しては、旧RoHS指令(Directive 2002/95/EC)のように限定的とはいえ例示製品の記載がないため、各企業が独自で判断することになります。改正RoHS指令では附属書Iのカテゴリー1(大型家庭用電気製品)に属すると考えられます。いくつかのケースでは一般家庭用と業務用との区別することが困難であることから、改正RoHS指令では旧RoHS指令と同じく一部の例外を除き業務用と一般家庭用を区別することはしていません1)2)。そのため、業務用の洗濯機も改正RoHS指令の附属書Iカテゴリー1に該当すると考えられます。
業務用洗濯機はコインランドリーに使用されている小規模のものからクリーニング会社の工場で使用されている大規模なものまで多岐にわたっています。大規模なものには、工場の機械設備と同様に、工場内の特定の場所に専門家により設置および撤去作業が行われ、専門家により運用されます。
上記に該当する大規模の業務用洗濯機に関しては改正RoHS指令の適用除外の1つである「大型固定据付装置」〔第2条(4)(e)〕に該当する可能性があり、該当する場合は適用範囲外になります。大型固定据付装置の関しては第3条(4)で「事前に定義された位置に専門家によって恒久的に設置および撤去される工場生産施設または研究開発施設で、専門家によって使用されメンテナンスされる装置」と定義付けされています。そして、2012年12月18日に欧州委員会がWeb上で公開した改正RoHSのFAQでは適用要件が下記の通りに記載されています2)。
対象となる製品が大型固定据付装置に該当するかどうかは、上記要件に従い、ケースバイケースで製造業者・組立業者およびユーザー自らの責任で判断することになります。
以上のことから、ご質問の業務用洗濯機は基本的に改正RoHS附属書Iカテゴリー1に適合すると考えられます。「大型固定据付装置」に該当すると判断される場合には改正RoHS指令の適用対象外となります。
1)http://ec.europa.eu/environment/waste/pdf/faq_weee.pdf
2)http://ec.europa.eu/environment/waste/rohs_eee/pdf/faq.pdf