電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
改正RoHS指令(RoHS2:Directive 2011/65/EU)は、2011年7月21日に発効しています。指令発効後の2011年9月15日に「改正RoHS指令に従った適用範囲の変更に関する実施基準と付加的影響評価の基準」プロジェクト1)のキックオフミーティングが行われました。
2011年11月29日開催の第1回利害関係者会議において、RoHS2適用範囲の拡大リストが示され、カテゴリー11に入る17の製品品目があげられ、その中にご質問にあります「壁面に設置する」タイプの照明器具用のスイッチが含まれています。このリストでは、「Light switches」となっています。
その後、リスト掲載の製品品目の評価が実施され、2012年5月15日開催の第3回利害関係者会議を経て、2012年7月6日にFinal Reportを公表しています。このFinal Reportに記載されたLight switchesの定義と定格は次のようになっています。
照明用スイッチとは、負荷(照明ランプ)と電源(例えば、ヒューズボックス)間に流れる電流を規制する機能を有し、通常単相230V±10%ACをON・OFFします。欧州諸国では、ビル用の照明回路の電流は5A、6Aもしくは10Aです。
一方、2012年12月12日に欧州委員会から発行されたRoHS2 FAQのQ4.3に次のような設問があります。
Q4.3「Are EEE built into buildings outside of scope?」
(建築物に組込まれたEEEは、適用範囲外であるか?)
この問に対し、次の様に回答しています。
「建造物はRoHS2では装置と見做されない。それ故、建造物に組込まれるEEEは、第2条(4)(c)に基づいて除外することはできない」
以上からご質問の壁面に設置する照明用スイッチは、RoHS2のカテゴリー11に該当し、RoHS2適用範囲になります。
従い、スイッチカバーについても含有制限6物質の非含有が求められます。
カテゴリー11に属するEEEのRoHS2指令の適用開始は、第2条2項により2019年7月22日からとなります。
照明用スイッチのカバープレートの材料については、前述の最終報告書においてポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)等が例示されています。