電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
ご質問には2014年7月22日からの制限物質追加とありますが、この日付は制限物質の追加適用期日ではなく、RoHS指令第6条1項に従い、制限候補物質の評価書に基づく欧州委員会の見直し期日です。
現時点では以下5物質の評価書が公表されています。
HBCDD、DEHP、BBP、DBPの4物質は、RoHS指令の前文でも「REACH規則の付属書XIV(認可物質)と付属書XVII(制限物質)を考慮して定期的に見直す。特にHBCDD、DEHP、BBP、DBPについてはその使用により人の健康と環境への影響が生じているため、最優先で考慮すべきものである」と記載されており、優先的な見直し対象となっていました。
これら4物質については、制限物質のレビューと見直しを行うプロジェクト活動が行われ、そのfinal Reportが欧州委員会に提出されています。
この調査結果では、HBCDD、DEHP、BBP、DBPの4物質を制限対象物質として附属書IIに収載することを推奨しています。その中でHBCDDの最大許容濃度は、EUのPOPs規則(850/2004/EC)で規定されている値と同じく重量比0.005%が提案されています。
DEHP、BBP、DBPについての最大許容濃度は均質材料中で重量比0.1%が提案されています。
DIBPについてはOko-institutによる評価書が公表されていますが、REACH規則や上記4物質との関連もあり、直ちに附属書IIに収載を推奨する内容にはなっていません。
現時点ではこれら5物質がただちに制限物質となるわけではなく、今後、欧州委員会で改正案の作成が行われ、立法手続き、官報公布、施行という流れになります。
これら5物質については、制限物質となる可能性が高い物質といえるため、自社製品への使用状況の確認や、必要に応じて代替化の取組み等の準備などの検討を行われることをお勧めします。