電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics、FRP)は、ガラス繊維や炭素繊維に対してエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂などのプラスチック母材(添加剤、硬化剤などを含む)を浸透させ硬化したものです。
また、硬化後に成形型より剥離しやすくするための離型剤が表面についている場合もあります。繊維成分と樹脂成分は強固に硬化しているため一体化しており機械的には分離不可能なため、リサイクルが難しい素材でもあります。
欧州委員会から発表されるFAQでは、均質材料について次のように説明されています。
均質材料は機械的に分離できない材料とし、さらに「組成全体が均一な材料」で、例として、プラスチック、セラミックス、ガラス、金属、合金、紙、樹脂、コーティングなどとしています。具体的には3つの例が示されています。
以上より、ご質問のFRP自体は均一物質として取り扱うことが妥当と思われます。
しかし、FRP自体では繊維が表面にむき出しでザラザラの状態ですので、製品にする場合にはその表面にゲルコートという樹脂素材で保護するのが一般的です。また、FRP表面に塗装したり金属酸化物などを真空蒸着する場合もあります。
FRP表面に施されたゲルコート樹脂や塗装層はFRPから剥離することもあることから、別の均質素材として取り扱う必要があると考えます。