電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
RoHS(II)指令は、対象外製品を除き、定格電圧DC1500V以下、AC1000V以下の電気電子機器すべてを対象として、これらを合計11のカテゴリーに分類し、順次適用範囲の拡大が進められています。ご質問の産業用監視・制御機器はカテゴリー9に属し、2017年7月22日から適用されます。
同指令では第4条1項により、適用日以降は上市される当該電気電子機器には、附属書IIにリストアップされている特定有害物質は最大許容濃度を超えて含有しないこととされています。つまり、この「上市」が適用開始日以前か以後かによって、販売可否が分かれることになります。
RoHS指令をはじめとするEU整合製品規制では、「上市」を次にように定義しています。
また、「EU製品規則2016の実施に関するブルーガイド」1)の「2.3 PLACING ON THE MARKET」では、「上市」を行う経済主体はEU域内の製造者および輸入者のみであることが明記されています。
これらの点から、貴社から貴社EU販社に納入することは「上市」には該当せず、貴社EU販社から流通者や使用者に販売することが「上市」、つまりEU市場で最初に市場で利用可能とすることになります。
そのため、ご質問のようにRoHS(II)指令非対応製品を適用開始日以前に輸入者である貴社EU販社に在庫として納入していたとしても、適用開始日以降はEU域内で販売することはできないものと考えます。
なお、「上市」については、2014年12月19日付のコラムでも図解で解説しておりますので、あわせてご参照ください。