電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
RoHS指令は上市された電気電子機器に適用されます。
改正前のRoHS指令のFAQにおいて、「RoHS指令は、上市(put on the market)される製品にのみ適用されます。自身の使用のため(for own use)に製造された製品は、指令の適用範囲から除外されます」と記載されています。
上市については、「put on the market」と記載されていたものが、改正RoHS指令(以下、RoHS(II)と称します)では「placing on the market」に用語が変更となっています。この用語変更に伴う上市の定義は変わっていないことは、「ここが知りたいRoHS指令Q.293」を参照し、ご確認お願いします。
「placing on the market」と「for own use」に関する説明は、2016年7月26日に発行された「EU製品規則2016の実施に関するブルーガイド」1)の「2.3 PLACING ON THE MARKET」に記載されています。同ガイドでは、自身の使用に関する上市の説明として、次の2点が挙げられています。
ご質問のように、貴社がEU域内の自社グループの工場に向けて特定製品専用の製造設備を輸出する場合は、貴社と自社グループの工場で法人が異なり、所有権譲渡の何かしらの契約が発生する場合には、一般的には製品の上市に該当し、製造設備はRoHS指令の対象となるものと考えます。
但し、製造設備に関する契約や貴社とEU域内自社グループとの資本関係によっては、上市には該当しない可能性もありますので、法務部門や輸出管理部門に確認されることをお勧めします。
なお、ご質問の特定製品専用の製造設備は、RoHS(II)指令の対象除外品の「産業用大型固定工具」(第2条4項d)と「大型固定据付装置」(第2条4項e)に該当する可能性があります。該当するかどうかの判断をされる際には、「ここが知りたいRoHS指令」のコラム「EU RoHS(II)のFAQから-大型の定義を巡る解釈-」をご参照願います。貴社の製造設備が、これらに該当すれば、上記でご説明した上市の該非に関係することなく、RoHS(II)対象外製品となります。