電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
RoHS(II)指令への適合を証明するための方法は、貴社がサプライチェーンのどの位置に属する企業かにより異なります。貴社は最終製品を製造する生産者(セットメーカー)などに構成部品を納品する部品供給者(サプライヤー)ですが、サプライヤーについては、RoHS(II)指令に関する法的な義務は及びませんが、自社の部品等をRoHS(II)指令適合の最終製品に組み込んでもらうためには、後述の対応が必要となります。
RoHS(II)指令ではセットメーカーに、RoHS指令第7条(製造者の義務)に適合していることを自己宣言することを求めています。最終製品は部品および組立品等から構成されていることが多く、セットメーカーは最終製品を構成する「すべての部品および組立品に対して、最大許容値以上の制限物質を含んでいないこと」を確認する必要があります。
したがって、部品供給者は、セットメーカー等のサプライチェーン川下の納入先からの要求に従い、自社が納入する部品などに最大許容量以上の制限物質を含んでいないことを証明する技術文書を編纂して、提出することで、RoHS(II)指令適合を証明することになります。
なお、RoHS(II)指令の整合規格であるEN50581(有害物質の使用制限に関する電気・電子製品の評価のための技術文書)では、サプライヤーからセットメーカーに情報伝達をするのに必要とされる技術文書の種類を示しています。
この4種類の文書は「and/or」で採用するとしています。andにするかorにするかは、サプライヤーの以下の評価(アセスメント)に基づくとしています。
なお、上述の技術文書などの様式は特に定められたものは無く、どのような様式を使っても法的には問題ありません。実態としては、各業界の共通様式や、企業独自の様式などが使用されていまので、貴社の取引先が指定する様式があれば、それに準拠することになります。
以上より、部品や最終製品がRoHS(II)指令へ適合していることを認証する公的機関などは無く、サプライチェーンの各段階の企業が責任を持って制限物質の含有に関する情報を伝達することで、最終製品のRoHS(II)指令適合が担保される仕組みとなっています。