電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
最初にインドの法制度について触れておきます。インドは連邦制を採用しており、28の州および7の連邦直轄領からなります。そのため、法律には連邦法と州法が存在します。主要な法令は連邦法により規定されておりますが、州が立法権を有しているものもあります。
インドに生産拠点を設置する場合は、インドRoHS1)以外にも工場法2)や会社法3)など複数の法規制に対応しなければなりません。
まずインドRoHSですが、2016年10月1日に“the E-Waste(Management)Rules,2016”4)が、“the E-Waste(Management and Handling)Rules,2011”に置き換えて施行されました。貴社が製造又は輸入する製品が以降に記載するインドRoHSの適用範囲であるか確認し、適用する場合は適切な対応が必要です。
インドで下記に該当する法人はそれぞれ製造者責任(第5条)および生産者責任(第6条)の義務を負います。
なお、貴社が生産者である場合、拡大生産者責任(EPR:Extended Producers Responsibility)に従って中央公害管理委員会に対し、様式1でEPR認可の申請を行う必要があり、第5条の(1)(g)により拡大生産者責任を個別に履行するか、共同で履行するかを選択しなくてはなりません。
また、第V章(電気電子機器およびそのコンポーネントまたは消耗品または部品またはスペアの製造における有害物質の使用削減)、第16条で有害物質の使用制限が規定されています。
対象製品は下記を含む電気電子機器(ITおよび通信機器(ITEW)及び消費者向け電気電子製品(CEEW))です。
特定有害物質はEU RoHS(II)指令と同じ、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニルおよびポリ臭化ジフェニルエーテルで、最大許容濃度の規定も同様です。
但し、2014年5月1日より前に上市した電気電子機器に必要なコンポーネントまたは消耗品または部品またはスペアについては適用外となっています。
そのほか、生産者は製品ユーザー向け文書の中で、電気電子機器およびそのコンポーネントまたは消耗品または部品またはスペアの構成成分についての情報を詳しく提供するとともに、有害物質の使用削減条項に適合しているとの宣言を記載しなくてはなりません。
従いまして、インドに進出して現地で事業活動を行う場合はインドRoHS以外に会社法や工場法、及びその事業拠点となる州の州法についても一度目を通しておかれることをお勧めします。
1)http://www.moef.gov.in/sites/default/files/EWM%20Rules%202016%20english%2023.03.2016.pdf
2)http://www.mca.gov.in/MCASearch/search_table.html
3)https://www.ilo.org/dyn/natlex/docs/WEBTEXT/32063/64873/E87IND01.htm#a041a
4)http://www.moef.gov.in/sites/default/files/EWM%20Rules%202016%20english%2023.03.2016.pdf#search=%27the+EWaste%EF%BC%88Management%EF%BC%89Rules%2C+2016%27