電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
RoHS(II)指令は特定有害物質の電気電子機器への含有を規制した指令です。ただし、例外的に特定の製品については、RoHS(II)指令の適用除外用途が定められ、附属書IIIおよびIVに収載されています。
ご質問の酸化鉛を含有するガラスシール材に関連する適用除外用途としては下記があります。
1)附属書III
2)附属書IV
ただし、これらの特定有害物質の含有に対する適用除外用途については、期限が定められております。
2011年7月21日の時点で附属書IIIにリストされている適用除外用途は、それより短い期間が特定されない限り、下記に有効期限が規定されていました。
また、2011年7月21日の時点で附属書Ⅳにリストされている適用除外用途は、同様に、それより短い期間が特定されない限り、7年間とされていました。
なお、2017年11月に公布されたRoHS(II)指令の改正指令(EU)2017/21021)では、カテゴリー11の有効期限が改正されています。
従いまして、附属書Ⅲや附属書IVに関する有効期限は下記となります。
附属書 | カテゴリーNo | 有効期限 |
---|---|---|
附属書III | カテゴリー1~7、10 | 2016年7月21日 |
附属書III、IV | カテゴリー8(一般) | 2021年7月21日 |
カテゴリー8(体外診断) | 2023年7月21日 | |
カテゴリー9(一般) | 2021年7月21日 | |
カテゴリー9(産業用) | 2024年7月21日 | |
附属書III | カテゴリー11 | 2024年7月21日 |
なお、適用除外期限延長の見直しの必要があれば延長申請を期限の18ケ月前までに申請を行わねばなりません。
2016年7月21日に有効期限切れとなるRoHS指令附属書IIIに収載された適用除外用途については、多くの電気電子製品で使用されているものもありました。上記の附属書III No25については延長申請がされませんでしたが、No.32を含めて29種の適用除外の延長申請が提出され、調査(パック9『はんだおよび電気接点に関する適用除外用途』)が実施され、報告書2)が公表されています。
従いまして、附属書III No25はカテゴリー1~7、10に対しての有効期限は終了しています。カテゴリー8,9に属する製品の附属書III No25および附属書IV有効期限については上記の表を参照ください。
No32の適用除外についてはパック9で検討されていましたが、2018年2月15日にその有効期限についてのドラフト版が公表されています3)。ドラフト版での有効期限は下表の通りです。
カテゴリーNo | 有効期限 |
---|---|
カテゴリー1~7、10 | 2021年7月21日 |
カテゴリー8(一般) | 2021年7月21日 |
カテゴリー8(体外診断) | 2023年7月21日 |
カテゴリー9(一般) | 2021年7月21日 |
カテゴリー9(産業用) | 2024年7月21日 |
カテゴリー11 | 2024年7月21日 |
使用用途により適用除外内容が異なりますので、ご注意ください。
1)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32017L2102&qid=1511260545521&from=EN
2)http://rohs.exemptions.oeko.info/fileadmin/user_upload/RoHS_Pack_9/RoHS-Pack_9_Part_SOLDERS_06-2016.pdf
3)https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/initiatives/ares-2018-884978_en