電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
現在、中国のRoHS指令とは別に台湾版のRoHS指令ができるとの情報は聞いていません。中国のRoHS指令はEUのそれと規制物質も同じであり、似たような運用がなされると思われます。台湾では2005年12月26日、EUのWEEE指令およびRoHS指令への対応を強化するために台湾経済部標準検験局が、製品に含まれる有害物質を検査する機関を国が指定して管理する新しい規則「有害物質検査測定指定試験室(実験室)特定規範」を公布し、2006年1月1日発効しました。この規則は、電気・電子機器を輸出する台湾のメーカーがRoHS指令に十分に対応できるように検査体制を強化するためとしています(この特定規範はエンヴィックス社が日本語版を作成し販売しています)。
貴社は今後台湾と中国の両方との関係ができるようになるわけですから、EUのRoHS指令に従いながら中国版のRoHSの特殊性に目を向けていくことが肝要でしょう。中国版のRoHSで規制される製品のカテゴリーをEUのWEEE指令の付属書IAに定めるカテゴリーと併記してみますと内容に多少の差異はありますが、いずれも10のカテゴリーに分類されています。
EU | 中国 |
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中国版では電子情報製品が主体となっていますが、8. の電子ユニット・部品の項目が別のカテゴリーになっています。貴社の親企業は中国版のWEEEおよびRoHS指令で電子ユニット・部品で規制されると思いますが、特に部品を別にあげている以上、厳しく管理されることも念頭において対処することが必要でしょう。貴社はそれに組み込まれる部品を製造しているのですから、サプライチェーンとしての責務を果たすことが求められます。取引先のグリーン調達基準を遵守して必要に応じて材料の分析データや非含有証明書の提出なども必要になるでしょう。