電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
IEC/TC111/WG3で、測定法が検討されています。2007年12月25日付けでRoHS検査測定国際標準のIEC62321 111/95/ CDVの投票結果が公表され、可決されました。
2008年春頃にはFDISが発行され、投票結果からISとして、2008年末から2009年初めに発行される見込みです。
IEC 62321 の電気・電子製品内の規制物質の含有量測定手続標準では、測定は蛍光X 線分析装置でスクリーニングし、湿式分解法による精密測定に関する前処理を含めた手順書となっています。
実際の検査では、まず蛍光X線分析によるスクリーニングを行い、その結果が最大許容濃度以下かどうかが明確でない(グレーゾーン)場合は、湿式分解法で精密分析が行われることになります。
2008年2月のイギリスBERR の RoHS 規則のGovernment Guidance Notesの最新版では、規制物質の分析に関して、下記のように記されています。(以下、回答者訳)
製品を英国市場に上市する電気電子機器生産者は、自社製品に使用する構成部品または材料を独自に分析(もしくは第三者に委託)する。分析は、サプライヤーの宣言を実証するか、宣言がない場合に規制物質の有無を明確にするために行う。宣言に疑問がある場合にも分析を行う。
生産者または第三者は、製品が6種類の規制物質の最大許容濃度値に適合することを確証するために、適切な分析方法を採用することができる(回答者注; IEC の分析法を使用しなくてもよいことになります)。分析の基準は、市場に出す製品の数量(大企業より中小企業は少ない)、サプライヤーとの関係、禁止物質の存在のリスク、そして環境中の物質の潜在的な影響に依存する。生産者は、使用する分析技術の考えられる限界を理解し、考慮に入れておくことが必要である。
JMOSS では、参考として次を示しています。公定法ではありません。
算出対象物質 | 分析方法 | |
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簡易分析方法 | 詳細分析方法 | |
カドミウム(Cd) |
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鉛(Pb) |
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水銀(Hg) |
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6価クロム [Cr(VI)] |
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ポリブロモビフェニル (PBB) ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE) |
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