電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
EUのRoHS指令では、電気・電子機器に含有されるCd、Hg、Pbなどの特定有害化学物質(6物質)の最大許容濃度が規定され、2006年7月1日以降EU加盟各国に上市される電気・電子機器に適用されています。わが国の当該電気・電子機器セットメーカーでは、すでにRoHS指令適合に取り組み、サプライヤーに対してグリーン調達基準を設け対応を要求しています。
セットメーカーの調達基準はメーカーの価値観やメーカー間の対抗意識などにより、独自に設定されており、複数のセットメーカーと取引のあるサプライヤーは対応に苦慮しているのが現状です。
たとえば、カドミウムの規制要求では、以下のような事例があげられます。
A 社: | 亜鉛を含む金属 (黄銅、亜鉛ダイカストなど) からなる部品・部位 ⇒ 100ppm |
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プラスチック・塗料・インク・ゴム ⇒ 5ppm | |
B社: | プラスチック・塗料・インク・ゴム⇒ 5ppm |
亜鉛ダイカストなどの金属 ⇒ 意図的添加以外は不純物として不問 | |
C社: | すべて ⇒ 75ppm |
以上のように、企業の価値観が異なり、統一にはほど遠い状況です。
サプライヤーの立場からすれば、できればセットメーカーの要求儀順が統一されることが望ましいわけですが、一挙には解決できそうな状況にはありません。
わが国では、グリーン調達調査共通化協議会(Japan Green Procurement Survey Standardization Initiative:以下、JGPSSI)と、米国電子工業会(Electronic Industries Alliance:EIA)、欧州情報通信技術製造者協会(European Information and Communication Technology Industry Association:EICTA)が連携して、2005年5月に共通のガイドラインを作成取りまとめた「 製品含有化学物質管理ガイドライン( Joint industry guide for Material Composition Declaration for Electronic Products ;JIG」」(2007年11月改訂)が、サプライチェーン間でのグリーン調達基準のデファクトスタンダードとなっています。
これには、RoHs指令の6物質を含み、24物質群が対象となっています。
JIGをベースにしてグリーン調達基準が適用されるようになることが望まれます。