電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
鉛に限らず測定は2段階で行われることが一般的です。
第1段階ではスクリーニング分析として、蛍光X線分析装置が用いられます。誤差やばらつきは多少大きくなりますが、被検査物を破壊することなく(ただし、均質材料に分解した方がより精度は高くなります)、比較的短時間で行うことができます。この方法で明らかに最大許容値を下回る場合は適合、上回る場合は非適合と判定することになります。どこからを「明らかな差」と規定するかはリスクと合わせて慎重に考慮されるべき点です。
測定値には、測定装置の感度、測定技術者の能力などにより必ず「不確かさ」が累積されていきます。鉛の最大許容濃度は重量比で0.1wt%(1,000ppm)ですが、それらの「不確かさ」の度合いを判断して閾値を設定します。たとえば 0.075wt%(750ppm)を判定基準として、それ以上のものをグレーゾーンとするというようなケースも考えられます。「不確かさ」の度合いによりこの閾値が上下することになります。
第1段階の分析でグレーゾーンであると判断された場合、第2段階として精密分析を行うことになります。鉛の場合、 原子吸光分析 、 ICP 発光分光分析 、 ICP質量分析などの方法があります。いずれも、被検査物を均質材料の状態に分解したうえで溶液による前処理(湿式分解)などが必要な破壊検査になります。スクリーニング分析のように手軽には行えませんので、費用や時間もかさみます。
また、それらの分析には外部の分析機関を活用されるケースが多いかと思いますが、最終的に抗弁のできる能力をもった資料という点では、一般的には ISO/IEC17025認定分析機関の選択を検討されることが有効です。ただし、ISO/IEC17025の認定は対象物と分析方法を規定して行われます。日本国内の認定分析機関については、JABやJCLAなどのホームページでご確認下さい。
分析以前の留意点では以下の点があげられます。