電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
この場合は、法律の適用ではなく、商取引条件です。取引契約ですから、交渉事であり、双方の合意により適用されるもので、法規制が関与するものではありません。
顧客の取得担当が必ずしもRoHS指令やELV指令を熟知していない、伝言ゲームのように大元の意図がずれて要求している場合もあります。
また、工場内使用部品とサービス部品としてそのまま輸出する部品が混在しており、納品検査(受入時)には判別できないので、厳しい管理を一律に行うとしている場合もあります。
包装材に関しては、RoHS指令の適用対象外ですが、包装材指令の適用となります。
米国の包装材重金属規制では、Connecticut州、Maine州、Massachusetts州など北東部の8州が合同でCoalition of Northeastern Governors(CONEG)をもち、州法の雛型を作りそれを各州法で制定しています。
州法ですから、対象はその州だけに効力がありますが、米国では物流が発達していますので、特定州対象とは言っても事実上連邦法と同様な効力をもっています。
EU指令のPackaging and Packaging Waste Directiveも同じ規制値となっています(表参照)。包装廃棄物の急増により、今後は包装材への要求が全世界で厳しくなってくると思われます。
中国RoHSにおいては、第14条に電子情報製品の生産者、輸入者は電子情報製品の包装物を製造、使用する際、電子情報製品の有毒、有害物質または元素抑制に関する国家基準または業界基準に合致させなければならず、無毒、無害で分解しやすく、リサイクルに便利な材料を採用すること、また別項に包装材料の名称を包装物上や製品説明書に記載しなければならない、とされています。
名称の記載については、中国当局のFAQ27において、製品包装用の梱包テープ、透明テープ、充てん物、製品保護と分離用の小型ビニール袋など補助包装物への標識方法についての回答として、『GB 18455-2001標準6.2条「包装物1つにつき一般に1つだけ標識を付ける』(その中で「包装物」とは、製品および包装物が販売、輸送を目的として、包装することによって結合された有機的全体を指します)の規定に従うと、企業は製品包装物の最も外側の主な包装物上に回収標識を表示するだけでよいが、包装物の材料名の表示、梱包テープ、透明テープ、充てん物、製品保護、分離用の小型ビニール袋など補助包装物に対しても表示を行うことを奨励する。ただし強制的に求めるものではありません、とあります。
カドミウム | 鉛 | 水銀 | 6価クロム | PBB,PBDE | ||
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Rohs指令 |
均質物質重量比 |
100ppm |
1,000ppm |
1,000ppm |
1,000ppm |
1,000ppm |
ELV指令 |
均質物質重量比 |
100ppm |
1,000ppm |
1,000ppm |
1,000ppm |
|
包装材指令 |
総重量比 |
合計 100ppm |