電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
Flip ChipはICのダイにバンプ(突起)をはんだで生成させます。バンプの大きさは100μm以下で実用化されています。
Flip Chipとプリント基板の接合は、一般的にはC4(Controlled Collapse Chip Connection)工法で行われます。C4工法は、フラックス塗布、フラックスの粘性でICを実装、加熱、フラックス洗浄、アンダーフィルでICを固定します。
EU RoHS指令のANNEXの15で「IC Flip Chipの半導体のダイとキャリアの電気接続用のはんだに含まれる鉛」が除外されています(L 280/18 25.10.2005)。
Flip Chipはダイと電極をワイヤーで繋いでおらず小型できることで、小型ハードディスク、携帯電話などで実用化されています。このように、ICの小型化などによる社会的便益が大きいので、除外されているものと思います。
Pb-R-8は、グリーン調達調査共通化協議会(JGPSSI)発行のJIG(Joint Industry Guide for Material Composition Declaration for Electronic Products)の回答マニュアル別表(使用用途分類リスト:http://210.254.215.73/jeita_eps/green/greendata/JgpssiOperation-jp-20070717/070717_SR_manual_jp.pdf)と思います。
JIGでは、Pb-R-8ついて、「Flip Chip ICパッケージ内で半導体のダイとキャリア接合用はんだ」に含まれる鉛の用途表示で要求しています。EU RoHS指令のANNEXの15の除外を意図したものです。
このように、ベアICの電極とプリント基板の電極との接合での、はんだの鉛含有制限は除外がされます。
貴説のように、除外はFlip Chipの接合はんだに限定して、拡大解釈しない方が賢明かと思います。
なお、最近の製品では、Flip Chipのバンプを鉛フリー(スズと銀など)にし、プリント基板の電極も鉛フリーにしています。