電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
結論から申しますと、包装資材は「包装および包装廃棄物に関する欧州議会および理事会指令」(European Parliament and Council Directive 94/62/EC of 20 December, 1994 on packaging and packaging waste)(以下、容器包装指令)に従います。RoHS指令は、電気電子機器に含まれる有害物質の使用制限の法律であり、ELV指令は自動車のリサイクル法(DIRECTIVE 2000/53/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 18 September2000 on end-of life vehicles)です。
2004年2月の容器包装指令の改正で、容器包装は以下のように定義されています。
以上の基準に従い、御社の包装資材が容器包装と判断されれば、当指令により規制を受けます。ちなみに(御社の包装資材はRoHS指令の特定有害物質は含まないとのことですが)、容器包装指令では、カドミウム、水銀、6価クロム、鉛の許容含有量の合計は1パッケージにおいて重量比で100ppm以下です。
EU各国は容器包装指令を受けて、それぞれの国の事情に応じて国内法への転換を図っています。ドイツでは容器包装を販売包装(Sales packaging)、付加包装(Secondary packaging)、輸送包装(Transport packaging)の3種類に分類しており、このうち輸送包装と付加包装は、事業者(販売者)が納入・販売時に引き取ることが義務付けられており、引き取った容器包装をすべて再使用または素材的利用する義務を負っています。
なお、容器包装指令以外に、REACH規則への対応へも注意が必要です。REACH規則では、2008年10月にフタル酸エステル類が認可対象候補とするSVHCと特定され、2009年6月1日に認可対象とする附属書XIVに掲載する勧告が、ECHAから欧州委員会に提出されています。 フタル酸エステル類は、PVCの可塑剤として広く使われています。この材料を包装や梱包に使用した場合は、包装・梱包材のみで、成形品の義務が課せられます。この場合、REACH規則7条の届出の義務と33条の情報伝達の義務があります。このデータの提出の要求も考えられます。
今回、工業製品メーカーより証明書および分析値を提出するように要求があったのは、これらの法規制の順守のためと拝察します。