電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
ご存知の通りRoHS指令の改正原案が2008年12月に発表されています。貴社の製品および使用している規制対象物質や例外適用除外事項が何かがわかりませんが、改正前の適用除外事項に該当する材料や部品を使用されているとの前提で回答します。
改正原案が正式に採決・決定されるのは、2010年5月に議会採択、6月に理事会採択を経ての見込みです。改正原案では、現RoHS指令の除外はそのまま継続されています。ただし、9a・Deca-BDEは裁判で除外決定が無効とされいますし、2007年7月までの期限が過ぎた28・IT機器の腐食防止コーティング中の6価クロムは除外項目から削除されています。
基本的には現行の除外が改定RoHS指令にそのまま継続される見込みです。
現状、EUに輸出していれば、原則として除外に関しては新たな対応要望はでないと思います。
RoHS指令改正原案では、除外は附属書に掲載されますが、有効期間は公布後4年としていますので、4年間で代替物質に切り替えなくてはなりまん。ここが大きな課題になります。
EU加盟国内で改正RoHS指令を施行させるためには、それらを遵守するために必要な法律、規則、規定などを整備し、公布しなければなりません。EU委員会は、公式発表後遅くとも18カ月以内にそれらを行うよう加盟国に求めています。これらの移行期間内に対応を具体化することが企業に要求されています。
なお、RoHS指令の改正原案は、第1読会で2009年9月、2009年11月と続けて修正意見や理事会議長の妥協案などが出されています。それらのプレス発表を読むと、欧州議会と理事会のなかで基本的には対象の電気・電子機器(EEE)のカテゴリーに特別の理由がなければすべてのEEEを含ませる、また対象からの除外もより厳格に精査するなどの修正意見が出ています。
第1読会での修正意見は以下に掲載されています。
これらの動向から、貴社としてもこれまで以上に代替品の調査に力を入れる必要があると思います。
当然のことですが、今回の改正案に削除される該当のものがなくても、今後の改正の機会に、貴社の使用する部品や材料が例外適用除外物質から削除される可能性はあります。RoHS指令の変更に適切に対処するためには、これまで以上にアンテナを高くして最新情報のキャッチに努めることが大切です。
参考までに2008年12月の改正案のポイントを紹介します。