電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
1.めっき用整流器、交流ヒーター制御器
めっき整流器はめっき条件により低電圧・大電流の直流電流に変換する電力変換装置であり、セレン整流器、シリコン整流器などがあります。
交流ヒーター制御器は、交流電圧電流を無段階に調整し電気炉などに使用するヒーターの温度制限に使用されるものです。いずれも交流電力調整をするもの考えてよいと思います。
したがって、めっき用整流器、交流ヒーター制御器は監視・制御機能を有する電力変換・調整機器です。監視・制御機能の機器が組み込まれているので、カテゴリー9(産業用を含む監視および制御機器)に該当する工業用監視・制御機器として考えるのが妥当のように思われます。
2.レーザー加工機、洗浄機
レーザー加工機は各種レーザーにより、切断、溶接、彫刻などの加工に用いられます。
洗浄機はスプレイ・シャワー洗浄、ジェット洗浄や超音波洗浄などにより部品などの洗浄工程などで使用されます。
レーザー加工機および洗浄機はいずれも加工工程で使用される機器ですので、カテゴリー6(電動工具)に該当すると思われます。
なお、large-scale stationary industrial tools(大規模据付式生産機械)およびlarge-scale fixed installations(大規模固定式設備)はRoHS(II)の適用除外になりますので、上記のレーザー加工機、洗浄機が大規模のものは適用除外になります。
また、2012年6月15日発行の【RoHS2 Draft FAQ guidance document】には、適用除外の恩恵を受ける大規模固定式設備の例示に、「ロボットと機械工具を含む、製造ラインと加工ライン(工業、食品、印刷媒体等)」があります。上述の機器が製造ラインの中に設置されるものであれば適用除外の可能性があります。 ただし、「生産機械と設備にこの除外が適用されかどうかの判断は、製造・組立の実施者及び使用者の責任である」とされていますので注意が必要となります。
大規模の定義に関する解説は8月10日付けコラムを参照ください。