電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2011年7月20日に施行されていた改定玩具指令2009/48/ECは、全面切り替えまでの移行措置として、第2条「範囲」(1)の適用除外および附属書II(必須安全要求)パート3「化学的特性」は旧法のままで運用されていましたが、2013年7月20日に旧法の内容である当該部分が廃止され、改正玩具指令での全面施行となります。
改正玩具指令附属書IIパート3は、発がん性、変異原性、生殖毒性物質(CRM物質)およびニトロソアミン、アレルギー性芳香剤、移動制限重金属などの化学物質が規制対象に追加されたことや警告表示内容の追加、対象年齢の引き上げ、誤飲、窒息のリスク防止などが追加されています。
(改正)玩具指令の必須要求事項への適合のための整合規格としては、CEN (European Committee for Standardization:EU規格委員会)が制定しているEN-71 があります。その狙いはユーザーに明らかでない潜在的リスクをできるだけ減らすことです。
ご質問の化学物質の分析方法ですが、移行閾値が定められた重金属物質の測定法はEN71-3で、現在改訂中で2012年12月に草案が採択されています。有機化合物の測定は、EN-71-9-11によります。この部分に関連するガイダンスドキュメントが出されており、リスクマネジメントの観点からの有機化学物質の適合性評価手法について記載されています。
また、CENでは技術規格EN-71-12を開発中(prEN71-12: 2012年5月草案)でEN71-12はエラストマー中の(天然および合成の両方)ニトロサミンとニトロソ化可能性物質対する要求事項と試験方法を明記する予定で、2013年7月20日前に発表されます1)。フィンガーペイントは、prEN-71 -7(2012年10月草案)で、ニトロソアミンとニトロソ化可能物質の含有制限をprEN71-12を参照して行っています。
ご質問の化学物質の分析方法については、一部草案段階ものもありますが、上記ガイダンスを参考として対応されることをお奨めします。また、EN71規格の要求事項や試験方法は玩具指令の全ての安全特性を満足していない可能性がありますので、その場合は他の規格または仕様に準拠して必須要求事項への適合を行うことが必要になります。
なお、改正玩具指令の最新状況については、2013年3月15日付けコラムと2013年4月5日付けコラムの2回にわたり掲載されていますのでご参照ください。