RoHS(II)指令(電気電子機器に特定有害物質の使用制限に関する2011年6月8日の欧州議会と理事会の指令2011/65/EU)は、2011年7月1日に官報で公示され、2011年7月21日に発効、2013年1月2日までに加盟各国の国内法として整備されています。その第3条(5)では、この指令の中でのケーブルを「定格電圧250V以下のすべてのケーブルで、接続のための機能、EEEのコンセント接続のための延長機能、2つまたはそれ以上のEEEを相互に接続する機能を有しているもの」と定義づけています。貴社のケーブルがこの定義にあてはまるのであればRoHS(II)指令の対象となります。
対象製品であれば、第4条1で「加盟国は、上市されるEEEが、修理・再使用・機能の更新又は能力のアップグレードのためのケーブルおよび予備部品も含み、附属書IIに掲示されている物質を含有しないことを確実にしなければならない」とされています。
また、第4条4では次の6つのケースでの「修理・再使用・機能の更新または能力のアップグレード」のために使用する場合は、指令の対象とならないともしています。ご参考ください。
- 2006年7月1日以前に上市されていたEEE
- 2014年7月22日以前に上市されていた医療用機器
- 2016年7月22日以前に上市されていた体外診断用医療機器
- 2014年7月22日以前に上市されていた監視制御機器
- 2017年7月22日以前に上市されていた産業用監視制御機器
- 除外による便益を得ており、除外の有効期限が終了する前に上市され、特にその特定の除外(による便益)が継続しているEEE
ただし、貴社がケーブルをどのような形・用途で輸出されているのかで解釈や適用時期が異なってきます。使用されるEEEがどのカテゴリーに属するのかが基本になりますが、以下、各ケースで説明します。
- (1)製品の内部配線として輸出されているケーブル
使用されているEEEの一部品として扱われます。含有制限を受けますが、CEマークのRoHS(II)の義務は適用されません。
- (2)RoHS(II)の適用対象外であるEEEやEEEの接続に使用されているケーブルもRoHS(II)の適用対象外となります。
- (3)音声データや映像の伝送に使用されているケーブル(HDMIケーブル等)
カテゴリー3かカテゴリー4に該当し、すでにRoHS(II)が適用されています。
- (4)プラグなどがついていない非完成ケーブル(ケーブルリール等)
RoHS指令では適用範囲外でしたがRoHS(II)ではカテゴリー11に該当し、2019年7月22日より適用開始となります。
- (5)カテゴリー8かカテゴリー9に該当するEEEと一緒に販売されるケーブル(脱着の可否を問わない)
それぞれのカテゴリーの適用開始時期と同一となります。すなわち、医療用機器と監視および制御機器は2014年7月22日、体外診断用医療機器は2016年7月22日、工業用監視及び制御機器は2017年7月22日です。
- (6)他のEEEと一緒に販売されない外部ケーブル(電源ケーブル等)
RoHS(II)が適用されており、ケーブルとして指令の順守が求められています。
以上の個別の適用事例については、RoHS2FAQにて参照が可能です。