電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
中国RoHSは2016年1月に改正版が公布、同7月に施行されました。改正前と比べ、対象となる製品がEUと同等に「電流あるいは電磁界に依存して作動し、電流と電磁界を発生、伝送、測定することを目的にするもので、定格稼働電圧は直流1500ボルト、交流1000ボルトを超えない設備及び付属品」と拡大しています。当面は第1ステップとして表示の義務ですが、第2ステップでは含有規制となるため今後の推移に注意が必要です。
実施に関するFAQは2016年5月に提示されており、そのQ14「電動輸送機械および工具は<管理弁法=中国RoHS>適用範囲に属するか」に対して「電動輸送機械および工具は電気電子製品には属さず、<管理弁法>の適用範囲に属さない」としています。また、Q13「<管理弁法>の適用範囲に属するか否かをどのように判断するのか」に対してはフローチャートを用いて回答しており、「本文において明確に排除される製品の専用として、または特化されたアクセサリーとしてのみ用いる場合→適用範囲に属さない」としています。すなわち貴社が想定されている電気部品が電動輸送機械の専用の部品・アクセサリーであるならば、当該部品・付属品は規制の対象外であるということになります。
しかし専用であることの証明方法や、それに伴う上市時のトラブルのリスクを考慮すると、規制に準じた表示を行うことが無難であるという見方もできます。想定されるリスクとその回避のための費用負担という面をあわせてのご判断が必要であると考えます。
またご質問は中国RoHSについてですが、ELV指令やCCC制度への対応も考慮する必要があります。
ELV指令では適用除外用途も規定されていますが規制物質は中国RoHSと同じでGB/T30512(自動車使用禁止物質に関する要件)で示されており、確定した測定方法としてはQC/T 941-2013(自動車材料に含まれる水銀の測定方法)などがあります。同指令に関してはQ472をご参照ください。
またCCC制度では製品の安全性と技術基準の審査を受けCCCマークの表示が必要となり、関連する適用規格としては、GBT18488.1(電気自動車用モーターとコントローラーの一般仕様)、GB14711(中小型回転電気機械の安全要求)、GB12350(小出力モーターの安全要求)などがあるほか、測定方法に関する標準も定められています。
同制度に関してはQ208をご参照ください。