電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
RoHS(II)指令の用語の定義(第3条)で、対象とする電気・電子機器は下記の通りに定義しています。
「依存する」とは、「1つ以上の意図された機能を果すために、電流または電磁界を必要とする」としています。この意図した機能に電流または電磁界を必要とすれば、RoHS(II)指令の規制対象となります。RoHS指令の改正において依存の定義が追加されたことにより、電気が主動力の製品だけでなく、電気が主動力ではないが、意図された機能を果たすには電気が欠かせない製品が規制対象になるなど、適用範囲が広がりました。
ご質問のガソリンエンジンは電位差を利用した電気スパークにより混合気に点火することで稼働します。点火させる電気スパークはイグニッションコイルの1次コイル側に電流が流れることで、相互誘導により2次コイル側で増幅された高電圧で生み出されます。
エンジンを稼働させる主動力はガソリンになりますが、ガソリンの点火には、電気スパークを発生させる電気が必要です、また、電気スパークを発生させる2次コイル側の電圧は一般的に2500~3500Vとされていますが、1次コイル側は一般的にRoHS(II)指令の規制対象内の定格電圧で使用します。これらのことをRoHS(II)指令の定義に当てはめてみると、ご質問のガソリンエンジンは改正前のRoHS指令では規制の適用範囲外でしたが、RoHS(II)指令の場合は規制対象となると考えられます。
そのエンジンを搭載しているエンジンポンプも、稼働に際してはエンジンの動力を必要としているので、RoHS(II)指令の対象となると考えられます。