電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2011年に改正し、施行されているRoHS指令(DIRECTIVE 2011/65/EU)1)において、鉛を含むはんだの適用除外用途は、附属書III内の7a、14、15、24、27、31に記載があります。ここでは、その中から質問にある高温はんだに関する適用除外用途として7a(鉛含有量85%以上)の状況について回答します。
RoHS指令は、2006年7月1日から施行されており、施行日以降にEU市場に投入された製品に対し適用するのが基本となります。ただし、RoHS指令は、技術的代替が困難な使用用途に対し、適用除外用途が設定されており、高温はんだは適用除外となる用途の一つとなっています。したがって、販売されている製品がRoHS指令に記載されている高温はんだの条件を満たしている場合、2006年7月1日以降に生産した製品であっても、RoHS指令の適用から除外となります。
ただし、RoHS指令における適用除外用途は、有効期限を設定し、代替技術の開発など技術的な進歩に従い見直し、更新をしていくとしており、動向について注意しておく必要があります。
高温はんだについては、2016年7月21日が見直し、更新に関する有効期限であったものの、更新申請の調査などの検討が行われている状況で、調査が続いているため、現在も継続して適用除外用途として認められている状態です。
見直し、更新に関する動向としては、2017年9月19日に改正案が公表されており2)、近々、官報により改正が正式決定となる見込みです。この改正案では、製品カテゴリーごとに有効期限を定める方向性が示されており、高温はんだに関する有効期限は、以下のようになっています。
2021年7月21日
2023年7月21日
2024年7月21日
今後、高温はんだを含む適用除外用途は、製品カテゴリーごとに有効期限が設定される方向となっており、調査プロジェクトにて見直される可能性があります。また、RoHS指令第2条4項1)には、指令の適用範囲外となる装置などの規定もあります。よって、RoHS指令に関する高温はんだの適用除外用途については、有効期限と見直しに関する動向を注視するとともに、どのような製品カテゴリーのものに使用するのかについて把握しておくことも重要なポイントになると思われます。
1)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:02011L0065-20171211&qid=1523616423491&from=EN
2)/well/rohs/column/170929.html