電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
前後の状況は不明ですので、ご質問の内容だけでの解釈をお示しします。
アルミ材はRoHS指令付属書の6項で0.4wt%まで適用除外されます。
JIS規格アルミニウム押出し合金A6063Sの化学成分は下記になっています。 基本的に鉛は入っていません。
Si | 0.2~0.6wt% |
Fe | 0.35wt% |
Cu | 0.10wt% |
Mn | 0.10wt% |
Mg | 0.45~0.9wt% |
Cr | 0.10wt% |
Zn | 0.10wt% |
Ti | 0.10wt% |
Al | 残部 |
RoHS指令のアルミ合金の鉛除外の基準値は0.4wt%で、ppmに直しますと、1,000,000分の4,000になり、4,000ppmになります。
調達部材の鉛濃度が68ppmであれば基準値4,000ppm以下です。
ここで留意しておかなくてはならないのが、サンプリングと測定方法です。基本的に妥当な測定が行われた結果であるかを確認しなくてはなりません。
いざというときに、例えば当局への説明に使用する、あるいは裁判になったときに、証拠として採用されるレベルで調達部材を評価、検査をしたかが問われます。納品された部品はA6063Sを使用したことを確認することが必要です。加工を取引先に委託している場合は、原材料の受入確認をどのようにしているかをミルシートなど確認します。
測定値は、サンプリング、測定方法で値が大きく変化します。バラつき(不確かさ)をきちんと把握しておかなくてはなりません。この事例では、68ppmですので多少の誤差やバラつきがあっても評価結果は動かないと思います。微妙な場合はトレサビリティを含めて、管理する必要があります。
測定方法は、蛍光X線分析装置でスクリーニングし、グレーであれば湿式分解法で精密測定をすることになります。今後の測定方法は非強制ながらIEC62321の測定方法が普及すると思います。