電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
ご質問の「ノンハロ」には、一般的には臭素フリーと塩素フリーの2つの意味があります。
プリント基板などに臭素系難燃剤が使われています。
臭素系難燃剤の中で、規制されるのはPBBやPBDEで、TBBPAは規制対象外です。
PBDEでも10-BDE(DecaBDE)は2005年10月25日に除外が決定されていました。
PBD、PBDEは76/769/EEC(危険な物質および調剤の上市と使用の制限に関する指令)において、1,000ppm以下に規制されています。RoHS指令の規制は上記の76/769/EECと整合が図られていると言えます。
臭素系難燃剤の分析は一般的にGC-MSで行います。GC-MSですと、PBDEかTBBPAなのか、10-BDEかどうかなどが精密に分析できます。ただ、プラスチック中のBDE分析の前処理は非常に手間と時間がかかります。また、分析機関に依頼しても費用は高額になります。
最近RoHS順法スクリーニング測定器として蛍光X線装置が多用されています。蛍光X線分析装置では分子構造は分からないものの全臭素量は分かります。
もし、蛍光X線装置の測定で、トータル臭素がゼロであれば、PBDEもないことになります。
このように分析に手間隙がかかることやWEEEの付属書IIにおいて臭素系難燃剤を含有するフラスチックが分離回収対象に指定されたこともあり、臭素を入れない難燃剤が浮上してきています。
前記しましたが、Deca -BDEについて最近動きがありました。2005年10月15日にDeca-BDEの除外は官報で告示されましたが、2008年4月1日に欧州裁判所から、この除外適用を取り消す判決が出されました。2008年7月1日以降上市する製品にはDeca-BDEを含めて、PBDEは使えないことになります。
これは塩ビの使用を止めるものです。包装材などの対応しやすいところから塩ビの使用を削減しています。
日本の企業のグリーン調達基準でも使用禁止が出てきています。
背景は、指令になっていませんが、EUの塩ビの使用を削減する白書が出されていることに由来します。塩ビの焼却時に問題があるので禁止が検討されています。
また、包装材規制でもリサクル問題として塩ビが指摘されています。早晩、塩ビ使用禁止指令が出ると見込んでのことです。