電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
皮のなめしの主な方法には、クロムなめしとタンニンなめしがあります。クロムなめしでは6価クロムが残る可能性があります。
革は普通に用いられる状態では密度が低いため、蛍光X線分析では照射X線が透過し、含有量を正しく分析をするのが難しいようです。検出する蛍光X線強度を強くする方法としては、革をプレスして(必要なら、何枚か重ねて)、密度を上げて分析するのがよいようです。ただ、プレスの仕方などで革の測定可能密度の確保が困難ですと、蛍光X線強度がばらつく可能性がありますので、分析精度には十分注意してください。
RoHS指令の遵守確認のため測定法の標準化が進められていますIEC/CD 62321でのポリマー、電子部品中の6価クロムの精密分析法では、サンプルをアルカリ性の熱水で抽出して、ジフェニルカルバジド吸光光度法で定量することが提案されています。
JISK0102(工場排水試験方法)には、Cr(3価、6価)含有水溶液中の6価クロムの定量法がありますので、これも参考にして下さい。
革の場合は、恐らく抽出液は着色する可能性がありますから、ジフェニルカルバジド吸光分析にかける前に、イオンクロマトによってクロム成分を分取してから、吸光分析する必要があるかもしれません。
なお、革については、革試験方法JIS6550があります。
その中の化学分析法によるクロムの分析は、硝酸、過塩素酸、硫酸を用いる湿式で完全酸化分解し、チオ硫酸ソーダで滴定する比較的簡便な方法です。ただし、この方法では6価クロムのみを定量するのではなく、全クロムを求めることになりますが、参考にできる方法と思います。
革中のクロムの受託分析は、下記で行っています。
一方、欧州にはエコラベル制度がありますので、これにも注意しておかれるのがよいと思います。
欧州エコラベル制度は、1992年3月23日の欧州理事会での「欧州エコラベル制度 (Community Eco-label Award Scheme)」の採択に基づき発足しました。2000年7月17日に改正規則が議決され、同年9月24日から発効しています(Regulation (EC) No.1980/2000 on a revised Community Eco-label Award Scheme)。
改正規則によると、本制度の目的は、同じ製品グループに属するその他の製品 (サービスを含む)と比較して、環境面で好ましくない影響を低減することができる製品の普及を促進すること、それによって資源の有効利用と高い水準での環境保護に貢献することであるとされています。
EUエコラベルの取得は強制ではなく、その取得はあくまで企業の自由意志にゆだねられています。
2005年6月8日現在、この制度の対象製品グループは、洗濯機、冷蔵庫、トイレットペーパーなど合計24品目にまで広がっており、これらの24品目のクライテリア(基準)が公布済みとなっています。
この中に靴製品があり、アゾ染料の不使用、6価クロム含量10ppm以下が求められています。
EUエコラベルについては、下記のURL をご参照ください。