電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
RoHs指令で有害化学物質の含有制限の対象となるのはセットメーカーが製造し、EUに輸出する電気・電子機器で、当該電気・電子機器に使用される材料、部品は対象外です(RoHS指令の規制対象電子、電気機器はWEEE指令の付属書IAに定めるカテゴリー1、2、3、4、5、6、7および10の電気電子機器ならびに電球および家庭用照明器具)。
貴社のようなサプライヤーはRoHS指令の適用は受けません。取引先であるセットメーカーはサプライヤーに対して材料、部品、コンポネントなどがRoHS適合品であることを求めてきます。
一般的には、基本取引契約書において、化学物質規制管理の遵法を取り交わします。サプライヤーは、セットメーカーの求めに応じて非含有証明書の発行や検査データの提出などを行います。
基本取引契約書(「納入資材の含有化学物質に関する覚書条項」) への主な記載事項を以下に示します。
セットメーカーからの「指定物質」についてRoHS指令などで規制される「最大許容濃度」を超えていないことを保証する「非含有保証書」の提出を行います。
材料、部品または製法、工程を変更し「指定物質」の濃度に変化があった場合にはその旨連絡をします。
要求があれば、「指定物質」の含有濃度の測定データや「組成データ」を提出します。
この場合、重要部品については、たとえば、ISO/IEC17025認定の信頼できる分析機関に測定を依頼します。
「非含有保証書」に違反や測定データ資料などの内容の誤りに起因する損害を与えた場合には、損害賠償の責めを負います。
以上のように基本取引契約内容は、サプライヤーにとっては非常に重い内容を含んでいます。損害賠償請求を受けないための十分な配慮と対応が必要となります。以下に主要な対応策を記載します。
環境に配慮した設計を取り入れ、入口から有害化学物質規制、管理対応を行う。
イギリスの例ですがRoHS指令対応を自己宣言します。摘発された場合、非含有とした技術文書を提出しますが、抗弁のポイントは以下のとおりです。
このことは、非含有証明書や不使用証明書は裁判の証拠となりうる透明性の高いものでなければならないことが要求されていると言えます(測定データ、測定器、測定方法などの的確性など)。
QC工程表により重点管理を徹底します。
非含有の確認を行うのは顧客であるという認識をもち、情報公開を徹底する。