電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
有機溶剤は薬剤(塗料などの溶質)の希釈や部材の洗浄などに用いられますが、製造工程が十分管理されていれば、有機溶剤が部材に残留することは少ないと思われますし、有機溶剤にRoHS禁止物質の含有は通常ないと思われます。
一方、化学物質管理システム面では、電気電子機器セットメーカーは資材調達の契約条件として、各社独自のグリーン調達基準を作成し、サプライヤーにその順守を求めています。しかし最近では、製品含有化学物質管理を主体とした管理システムはもちろんのこと、さらに事業活動に関する環境管理システムを要求するようになっています。製品(物品)に含有する化学物質管理だけでなく、事業活動全般にかかわわる法規制順守や製造工程での使用禁止物質、削減対象物質の使用制限などのパフォーマンスを求めています。例えば、オゾン層保護、土壌汚染防止、安全衛生の観点から開発・生産・販売過程での使用禁止物質を規定しています。
さらに電気・電子機器セットメーカーはサプライチェーン・マネジメントの観点から、1次のみならず2次、3次取引先などサプライチェーン全体で環境管理のコンプライアンスを求め、グループとして化学物質情報の共有や統一された環境管理システムの推進を確実にすることを強く求めるようになっています。
以上のような背景から、同一サプライチェーンの電子部品メーカーが調達している有機溶剤についても、有害物質(禁止物質)の不使用証明を求めているものと思われます。
RoHS指令は2006年7月1日に発効しており、日本の産業界が対応した最初のEU化学物質非含有管理(特に情報伝達システム)なので、調達基準を包含してRoHS指令と言っておられるのではないかと想定します。
ただし、資材調達は契約によるものですから、調達基準として明確にされる方がよいかと思います。
部品メーカーの調達基準書にリストされている使用禁止物質の含有がない旨を証明する証明資料を提出することになります。したがって、部品メーカーの調達基準を明確に把握することが必要です。
参考となるのは、サプライチェーン上位のセットメーカーのグリーン調達基準で、そこにリストされている使用禁止物質を非含有であることを証明できればよく、証明書の様式も指定されたものが用意されていると思います。
いずれにしても納入先とよくコミュニケーションを図り要求基準を明確にすることが肝要です。