ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
中国2017年10月13日更新
Q.516 中国RoHSの有害物質は、鉛及びその化合物、というように記載されていますが、含有率はどのように計算したらいいでしょうか?

中国RoHS(II)管理規則(以下C-RoHS(II))では、ご指摘の通り特定有害物質は「鉛およびその化合物」のように規定されています。また、C-RoHS(II)の第9条においては「電器電子製品を設計する時には、法律、行政規則、規則によって求められている国家標準、業界標準を順守しなければならない(回答者抄訳)」ことが規定されています。これらの含有率等については、国家標準GB/T26572-2011「電子電気製品における使用制限物質の限量要求」で規定されています。
 国家標準GB/T26572-2011の第4項「限量要求」では「電子電気製品を構成する均質材料中には鉛(Pb)、水銀(Hg)、六価クロム(Cr(VI))、ポリ臭化ビフェニル(PBB)及び、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)は0.1%(質量分率)、カドミウム(Cd)は0.01%(質量分率)を超えて含有してはならない」と規定されています。すなわち、ご質問の「鉛及びその化合物」では、鉛化合物中の鉛の質量で算出することになります。これらの規定はEU RoHS(2)の考え方と同じです。

ただし、適合性の検査方法としては、国家標準GB/T26572-2011の第5項で、下表のように、各部品の均質材料に加えて、めっき層や分解可能な最小部品で検査する方法を定めています。

検査単位分類 検査判定基準
EIP-A 電子電気製品を構成する各均質材料 第4項「限量要求」
EIP-B 電子電気製品中の各部品の金属めっき層
EIP-C 電子電気製品中の既存条件でそれ以上それ以上分解できない小型部品・材料
体積4mm3以下の製品(例えばチップコンデンサー・チップ抵抗)

参考情報:J-Net21「ここが知りたいRoHS指令」コラム
中国RoHS管理規則のその後の動向(2)
中国RoHS管理規則の支援標準(規格)の改定動向【続報】
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動くか?改正中国RoHS管理規則
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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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