2010年7月にRoHS管理規則改定案が出され、同年10月にTBT通告が発行されています。
まだ詳細は確定しておりませんが、大きな変更を伴う論点は次の通りです。
- 適用範囲の拡大
現行の規則では、「電子情報製品」に限定されていますが、改正規則案では「電気電子製品」に変更され、その定義は「動作電圧が直流1,500ボルト、交流1,000ボルト以下の設備および組み合わせてセットした製品」に拡大され、EUの改正RoHS指令と同等の内容に変更されています。
- 法律の目的・主旨の変更
製造者に対する有害物質の代替や削減を奨励するため、「Key Management Catalogue for the Control of Pollution caused by Electronic Information Products(電子情報製品による環境汚染を抑制するための重点管理目録)」が「Management Catalogue of Standard Reaching for the Control of Pollution caused by Electrical and Electronic Products(電気電子製品による環境汚染を抑制するための標準達成管理目録)」に変更され、この目録に組み込まれた電気電子製品は、本規則の電気電子製品の汚染抑制に適合させるほか、目録中で規定された重点汚染抑制要求に適合させなければないということを規定しています。
- 適合性評価の変更
当初の改正案では、第2ステップにおける適合性評価は「compulsory product certification」(強制認証)の3C制度での対応となる予定でしたが、TBT通告によると、3C制度から「national certification system」(国家認証)に変更となるようです。
EUの改正RoHS指令では、適合製品にCEマーキングをすることが要求されていますが、中国RoHS規則の改正案では、認証機構がCEマーキングを意識していると思われる国際認証の活動を行うとともに、認定企業と製品名簿を定期的に発表して国家認証を得た製品に独自のラベルを行うこととしています。
- コーディネーションワーキンググループ体制の変更
政府の共同協力体制に関して、財務省と科学技術省がコーディネーションワーキンググループに追加されます。
上述のとおり、中国RoHS規則の改正案には独自色もありますが、基本的にはEUの改正RoHS指令を意識したものになっているようです。今後の予定は、公布が2011年、施行は2012年となっておりますが、詳細は明らかになっておりません。
今後の中国の動向を注視し、適切に対応していくことが求められます。
なお、中国RoHS規則の改正案については、本コラムでも昨年から数回に渡って以下のように取り上げています。
2010年8月13日付けコラム「中国RoHS規則の改正案の概要(1)」
2010年8月20日付けコラム「中国RoHS規則の改正案の概要(2)」
2011年8月5日付けコラム「中国RoHS管理規則のその後の動向(1)」
2011年8月12日付けコラム「中国RoHS管理規則のその後の動向(2)」